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とよさか’s diary(トレード・政治経済)

トレーディング&雑記 とよさか=豊栄で新潟県の思い出の地

敵を知り己を知れば百戦危うからず(1)許された物質

許された物質

2023年8月23日

 

脳には血液と脳組織を隔てる「血脳関門」と呼ばれるバリアが存在し、一般的な物質が容易に脳に入ることを防いでいます。

血脳関門(Blood-Brain Barrier, BBB)は、中枢神経系(脳と脊髄)の神経組織を保護する役割を果たす、血管内皮細胞とその周囲の細胞からなる防御的なバリアです。この関門は、一般的な血管と比較して、脳内の環境を一定に保ちながら有害な物質や微生物が侵入するのを防ぐ働きをしています。

血脳関門の機能

物理的バリア: 血脳関門は細胞の結合が非常に密であり、通常の血管と比較して物質の移動を阻害します。これにより、外部からの有害物質や微生物の侵入を制限します。

化学的バリア: 血脳関門には特定の輸送体が存在し、一部の物質はアクティブトランスポートによって選択的に通過します。これにより、特定の栄養素や必要な物質が脳内に供給されます。

遮断される物質

血脳関門は通常、水溶性の低い物質や大きな分子、疎水性の物質など、特定の特性を持つ物質の侵入を制限します。具体的な遮断される物質には以下のようなものがあります:

多くの薬物: 一部の薬物は血脳関門を通過しにくく、脳内への効果が制限されることがあります。これにより、一部の治療薬の効果が限定されることがあります。

大きなタンパク質: 大きなタンパク質やペプチドは一般的に血脳関門を通過しにくく、脳内に到達することが難しいです。

一部の微生物や病原体: 血脳関門は微生物や病原体の侵入を制限する働きを持ちます。ただし、一部の感染症や炎症状態では、関門が一時的に通過しやすくなることがあります。

血脳関門は神経系の正常な機能を維持するために重要な役割を果たしており、その機能が破綻することは疾患の発症や進行に影響を及ぼすことがあります。

 

しかし、アルコールは小さな分子であり、血脳関門を通過することができます。アルコールが脳に作用する仕組みは以下のような流れです

吸収: アルコールは消化器系から吸収され、血液中に取り込まれます。

血流への放出: 血液中を循環して、アルコールは全身の組織や臓器に運ばれます。この際、脳にもアルコールが到達します。

脳への影響: アルコールは脳の神経細胞に影響を与える神経伝達物質であるガンマアミノ酪酸(GABA)との相互作用を通じて作用します。アルコールはGABA受容体に結合し、神経伝達の抑制を増加させます。これにより、鎮静やリラクゼーションの効果が生じると同時に、注意力や判断力の低下などが引き起こされることがあります。

ドーパミンの放出: アルコールの摂取はドーパミンという快感をもたらす神経伝達物質の放出を促進します。これがアルコールの快感や中毒性の一因です。

血中アルコール濃度の低下: アルコールの効果は一定時間が経過すると徐々に減少し、アルコールが体内から排出されるまで続きます。これによって、アルコールの影響も収束していきます。