テロメアは染色体の末端に存在します。
細胞分裂が行われるたびに、染色体が短くなる現象
(エンドレプリケーション)をテロメアが防ぎ、遺伝情報を損なうことなく
正確な複製を助ける重要な働きがあります。
しかし
皮膚などを構成している体細胞は、基本的にその分裂回数は約50回程度である
といわれており、その50回という回数を、数十年~約百年にわたって消費していく
ので、「命の回数券」とも呼ばれています。
具体的には、人の体細胞の最大寿命は120年程度といわれており、
その50回という回数は、その理論を打ち立てた人の名前をとって「ヘイフリック限界」
と言われています。
体をつくる細胞の染色体の端にあり「命の回数券」ともいわれるテロメア。
テロメアの状態が、がんや動脈硬化といった様々な病気に関係しており、
生活習慣を見直すことでテロメアの状態を良好に保てることも分かってきました。
飲酒がテロメアに及ぼす影響は複雑であり、研究が進行中です。
ただし、一般的な傾向や一部の研究結果に基づいて、
以下のような関連が指摘されています
1.加齢とテロメアの短縮
加齢とともに通常、テロメアは短くなる傾向があります。
飲酒は加齢プロセスに影響を与える可能性があり、
過剰な飲酒はテロメアの短縮を促進するとされています。
2.酒の量と頻度の影響
一部の研究は、過剰な飲酒がテロメアを短縮させる可能性があると示唆して
います。特に、アルコール依存症や慢性的な高度なアルコール摂取が、
テロメアの異常な短縮と関連している可能性があります。
3.酒の種類の違い
一部の研究は、赤ワインに含まれるポリフェノールが抗酸化作用を持ち、
細胞の老化を遅らせる可能性があると示唆しています。
ただし、これについてはまだ明確な結論が出ていないため、研究が進行中です。
4.生活習慣の影響
適度な飲酒と健康な生活習慣は、テロメアの健康に寄与する可能性があります。
逆に、過度なアルコール摂取や不健康な生活習慣は、テロメアの短縮を加速
させるかもしれません。
健康で長生きするためテロメアとどうつきあえばいいのか。
次回以降に書いていきます。